11/17上映作品

 

『真白の恋』

2017/日本 (97分)
監督:坂本 欣弘

・第1部
開場             10:30 ~ 11:00
上映             11:00 ~ 12:37
坂本 欣弘 監督  12:37 ~
トークショー


-イントロダクション
 

“日本のベニス”と呼ばれるほど美しい景観を誇る、富山県射水市。この港町を舞台に、軽度の知的障がいのある主人公・真白(ましろ)の初恋を描いた『真白の恋』は、富山県富山市出身の坂本欣弘監督をはじめ、富山に縁のあるキャストも参加。小説や漫画が原作となる日本映画が多い中、オリジナル脚本であることにこだわった本作は、様々な問題に直面しながらも前向きに人生を歩んでゆく人々の姿を描きつつ、富山の魅力も伝える珠玉の感動作となっています。

 

オール富山ロケが最大の魅力となっているこの映画を監督したのは、自身も富山出身という坂本欣弘。『きみはいい子』(15)の呉美保監督や『おしん』(13)の富樫森監督の元で助監督を務めてきた彼にとって、これが本格的な映画監督デビュー作。

 

原作・脚本を担当したのは、日本を代表する映像作家・岩井俊二の元でキャリアをスタートさせ、貫地谷しほり主演の「女くどき飯」(現在 TBS系にて放送中)や、「たべるダケ」などの連続ドラマで、女性の心理を巧みに描いてきた北川亜矢子。知的障害者の実弟を持つ、自身の経験を反映させ、ステレオタイプに描かれがちな知的障がい者の日常に、これまでにない視点を加えることでリアリティを与えています。また、映画音楽を担当するのは、近年様々な人気ドラマの音楽を担当し、スタジオジブリの短編映画音楽も担当する、気鋭の女性音楽家・未知瑠。

そしてアートディレクターには、フジテレビ・木村拓哉主演「HERO」、明石家さんま主演「空から降る一億の星」などの宣伝美術を担当する吉澤正美を起用。坂本監督の意思に賛同した著名なクリエイターたちが、この映画のもとに集結しました。

 

富山の人々の協力によって、地元ロケや多くの場面でのエキストラなどが実現した本作は、人と人との関係が希薄になった現代社会における人間関係のあり方を、今いちど考えるきっかけになる映画になっています。そして日本全国に富山の良さも発信されてゆくのが魅力のひとつです。

 

-ストーリー

 


渋谷真白は、生まれてからこれまで、家族と共に富山で暮らしている。
見た目にはそれとわからないが、真白には、ごく軽度の知的障がいがある。
日常生活に支障はなく、現在は父の営む自転車店の店番をしたり、
飼い犬の世話をしたりと、元気に暮らしている。
ある日、兄の結婚式で神社を訪れた真白は、
東京からやって来たフリーカメラマン、油井景一に出会う。

真白の、生まれて初めての恋。
応援する人、心配する家族。
その中で真白は何を感じ、どう成長していくのか…。

自然豊かな富山に暮らす、ひとつの家族の、「優しさ」と「葛藤」を描く。
この映画が、あなたの心に響くことを願って。


真白の恋公式HPより引用。

10/15上映作品

 

 

『新地町の漁師たち』

2016/日本 (92分)
監督:山田 徹

・第1部
開場             10:30 ~ 11:00
上映             11:00 ~ 12:32

山田 徹 監督   12:32 ~
トークショー

・第2部
開場             13:30 ~ 14:00
上映             14:00 ~ 15:32

山田 徹 監督   15:32 ~
トークショー

-イントロダクション
 

311直後に福島県新地町を訪れた私は、津波の被災だけではなく原発事故による放射性物質の海洋汚染によって福島県の漁業が絶望的状況下にあることを知りました。自分たちを育んできた海、生業としてきた漁業の歴史を一度に奪われた人々は、これからこの地でどう生きていくのか。海はもう再生不可能なのか。私は新地町の漁師たちの行く末を記録しようとカメラを回し始めました。

 2016年11月現在、福島の漁業は原発事故以降から継続してきたモニタリング調査の結果、安全と判断された94種の魚介類を対象とした試験操業ができる状態まで回復しました。汚染は浄化しつつあり、漁師たちはいつでも本格操業ができるのです。しかし、原発は収束しておらず風評被害の問題もあることから、福島の漁業は未だ復興できない状況にあります。

 原発収束や汚染実態の継続的なモニタリング調査は漁業の復興上とても大事なことです。しかし、復興を考える上で重要な問題は「フクシマ」という記号から抱くイメージから私たち自身が現実の「福島」の漁業者の復興を妨げていることにあります。無意識の自虐行為による傷から私たちは「復興」しなければなりません。福島の漁業者が自立した人間として本操業を行えること、そして福島が抱える多くの問題を考える一つのきっかけとして、この映画を被災地内外の場を超える多くの方々に観ていただきたく思います。

 上映運動を広げるため皆様のお力添えをいただきたく宜しくお願い申し上げます。

 

-ストーリー

 あの大地震、原発事故で福島の漁師たちの生活は一変した。

 舞台は、3.11後の福島県新地町の漁村。東日本大震災によって引き起こされた福島第一原子力発電所の事故の影響で、当初、再生不可能とまで言われた福島の海。その海を生きる漁師たちはこれからどこへ向かうのか……。

 津波で消えた漁村、浜をさまよう漁師たち、放射能汚染水が排出された海、漁村の伝統祭事を映しながら、物語は「地下水バイパス計画」(汚染水対策)を巡る交渉シーンへと向かう。

 廃炉行程を一刻も早く進めるために、漁業者から計画容認を得たい国と東京電力……。一方、どう考えても容認しないと復興できないことを理解しつつも反対する漁師たち、また賛成する漁師たち。

 この映画は、津波と原子力災害によって生じた様々な軋轢や葛藤の中で生きる福島県漁業者たちの合意形成を巡る交渉の記録である。


新地町の漁師たち』公式HPより引用。

 

 

9/3 上映作品

『オロ』

2016/日本 (123分)
監督:岩佐 寿弥

上映開始        14:00 ~ 15:48
代島プロデューサー     15:48 ~ 
トークショー

-イントロダクション
 
おちゃめな少年とアバンギャルドな老監督が紡ぎ出す、チベット望郷の詩。

どんな時代、どんな民族も、おとなはこどもに未来を託してきました。受難がつづくチベット(注1)も例外ではありません。「しっかり勉強するんだよ」と母親に背中を押され、この映画の主人公オロがチベットから亡命したのは6歳のとき。いまはインド北部の町ダラムサラで、チベット亡命政府が運営するチベット子ども村(注2)に寄宿し、学んでいます。「なぜ母はぼくを異国へ旅立たせたのだろうか」。自力でその答え=生きる道を探し求めるオロの姿を一台のキャメラが撮影しつづけました。 
 
監督は岩波映画出身の岩佐寿弥。土本典昭、羽仁進、黒木和雄の演出助手を経て、1960年代後半から70年代にかけて、映画の常識を覆すアバンギャルドな作品を連発したことで知られます。本作でも主人公の少年と監督自身をまるで“孫とおじいちゃん”のように画面に登場させるなど、その自由な精神は77歳になったいまもまったく変わりません。 

 

  「映画の着手から完成までの3年間に、ぼくのなかでオロは〈チベットの少年〉という枠を

   こえて、地球上のすべての少年を象徴するまでに変容していった」—— 岩佐寿弥   

 

映画の最後でオロは「それでも、ぼくは歩いていく」と決意します。現在のチベットをめぐる状況は、どんな時代、どんな社会と比較しても格別に悲しい。しかし、悲しみを乗りこえてオロがたどりつく決意は、21世紀という多難な時代を生きる「地球上のすべての少年」に共通するものです。チベットの少年と日本の老監督が紡ぎ出すこの物語は、暗闇に立つ一本のろうそくのように、私たちのこころに“生きる希望”を灯してくれます。

 

注1)受難がつづくチベット 

 

ヒマラヤ山脈の北側に広がる「世界の屋根」に存在したチベットは、いまは中国の一部になっている。1959年に指導者ダライ・ラマ14世が亡命、インド北部のダラムサラにチベット亡命政府を樹立した。現在のチベット難民数はインド・ネパールを中心に全世界で約15万人と言われている。

 

注2)チベット子ども村 

 

Tibetan Children’s Villages(略称TCV)。中国で危機に瀕するチベット語、チベット文化の教育機会をこどもたちに与えたいというダライ・ラマ14世の意向で1960年に設立された。現在はインド各地で7校が運営され、約15,000人が学んでいる。


オロ公式HPより引用。

8/20 上映作品

『ハトは泣いている -時代の肖像-』

2016/日本 (123分)
監督:松本 武彰

午後の部   14:00 ~ 16:03
松本監督   16:03 ~ 
トークショー

※午後のみの上映となりますので
 ご注意ください。

-イントロダクション
 
「公平中立」って何だ?民主主義って何だ?
はびこる忖度ー脅かされる表現の自由、憲法、そして平和

二つの事件=キナ臭い状況への問題提起
 
「都美術館事件」=同館の彫刻作家展で中垣克久氏の立体作品に添えられた現政権に批判的文言に対し右翼からの抗議、脅しを受け、館側が作品の撤去を要求。

「九条俳句事件」=さいたま市の公民館が「梅雨空に『九条守れ』の女性デモ」の句を公平中立の場である「公民館の意見と誤解される」と月報への掲載を拒否。両事件の引き金は、改憲に向かう政権の意向を気遣う行政に蔓延する忖度である。

中垣作品はベルリンの画廊の招請により2か月現地で展示される。作品と事件に対するドイツ人の反応は「表現の自由」侵害への危惧、「歴史の負の遺産をどう記憶し、伝えていくか」を問い続ける国の決意を鮮明にする。これと交錯するように、問題句の掲載を公民館に求め続ける俳句会員たち。彼らを支援する市民運動は公民館を管轄する市教委の市民不在の対応を問い詰めていく。

芸術を通した社会参加を問う彫刻家と俳句掲載を求める市民の運動は、それぞれに先の戦争の記憶にあったキナ臭さを嗅ぎとり、行政の忖度がもたらす表現の自由・人権への侵害、「公平中立」の論理的破綻を露わにして行く。彼らの声は共に、この時代、過去をどう総括し、憲法九条と平和を守るために、私たちは何をするのか、何ができるのかを問いかける。

7/2 上映作品

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『オマールの壁』

2013/パレスチナ (97分)
監督:ハニ・アブ・アサド

・第1部
開場             10:00 ~ 10:30
上映             10:30 ~ 12:10

UPLINK代表    12:10 ~
浅井 隆さん  
トークショー

・第2部
開場             13:30 ~ 14:00
上映             14:00 ~ 16:10

-イントロダクション
 
一生囚われの身になるか、裏切者として生きるか
──1人の青年のぎりぎりの選択。
パレスチナの今を生き抜く若者たちの青春を鮮烈に描いた衝撃作。
 
2005年の『パラダイス・ナウ』で自爆攻撃へ向かう若者たちを描き、ゴールデングローブ賞外国語映画賞を受賞、アカデミー賞外国語映画賞にノミネートされたパレスチナ人監督ハニ・アブ・アサドによる本作は、分離壁で囲まれたパレスチナの今を生き抜く若者たちの日々を、切実に、サスペンスフルに描く。カンヌ国際映画祭をはじめ、多数の映画祭で絶賛され、2度目のアカデミー賞外国語映画賞ノミネート(パレスチナ代表)となった。スタッフは全てパレスチナ人、撮影も全てパレスチナで行われ、100%パレスチナの資本によって製作された。

-ストーリー

思慮深く真面目なパン職人のオマールは、監視塔からの銃弾を避けながら分離壁をよじのぼっては、壁の向こう側に住む恋人ナディアのもとに通っていた。長く占領状態が続くパレスチナでは、人権も自由もない。オマールはこんな毎日を変えようと仲間と共に立ち上がったが、イスラエル兵殺害容疑で捕えられてしまう。イスラエルの秘密警察より拷問を受け、一生囚われの身になるか仲間を裏切ってスパイになるかの選択を迫られるが…。


『オマールの壁』公式HPより引用。

6/4 上映作品

沖縄 うりずんの雨


2015/日本(148分)
監督:ジャン・ユンカーマン

-作品情報

私たちは沖縄のことを、
どのくらい知っているのだろう?

 

「老人と海」で与那国島の荒々しくも美しい自然と風土を捉え、「映画日本国憲法」で平和憲法の意義を訴えた、アメリカ人映画監督 ジャン・ユンカーマンが真の平和を求め、不屈の戦いを続けている沖縄の人々の尊厳を描いた渾身のドキュメンタリー。

 

1945年4月1日、アメリカ軍が沖縄本島に上陸。6月23日(現在の慰霊の日)まで12週間に及んだ沖縄地上戦では4人に一人の住民が亡くなりました。本作は、当時同じ戦場で向き合った元米兵、元日本兵、そして沖縄住民に取材を重ね、米国立公文書館所蔵の米軍による記録映像を交えて、沖縄戦の実情に迫ります。また、戦後のアメリカ占領期から今日に至るまで、米軍基地をめぐる負担を日米双方から押し付けられてきた、沖縄の差別と抑圧の歴史を描き、現在の辺野古への基地移設問題に繋がる、沖縄の人たちの深い失望と怒りの根を浮かび上がらせます。

『沖縄 うりずんの雨』公式HPより引用。

 

4/23 上映作品

『14の夜』

2016/日本 (114分)
監督:足立 紳

・第1部
開場             10:00 ~ 10:30
上映             10:30 ~ 12:30
足立監督         12:30 ~ 
トークショー
・第2部
開場             13:30 ~ 14:00
上映             14:00 ~ 16:00
足立監督         16:00 ~ 
トークショー


-イントロダクション
記憶に新しい大ヒット作『百円の恋』(監督:武正晴/主演:安藤サクラ)で第39回日本アカデミー賞:最優秀脚本賞や第17回菊島隆三賞、第1回松田勇作賞グランプリを受賞、脚本作『お盆の弟』も全国で異例のロングラン上映を果たし、TVドラマ「佐知とマユ」が市川森一賞にも輝くなど今最も注目を集め、次作が熱望されている脚本家・足立紳。元々は演出家志望で、相米慎二にも師事していたという同氏の監督デビュー作に、『百円の恋』や『お盆の弟』スタッフが集結した。主人公・タカシ役にはオーディションから選ばれた新人・犬飼直紀、ダメ過ぎる父親に光石研、幼なじみのメグミにSUPER☆GiRLSの浅川梨奈、ヤンキー同級生・金田役にTVドラマ「仰げば尊し」の健太郎。

1987年を舞台に、いつの世もくだらない事に必死な中学生男子の悶々を描いた愛すべき”性春讃歌”が誕生した―――!

第29回東京国際映画祭・日本映画スプラッシュ部門公式出品作品


- ストーリー
AV女優がサイン会にやってくる・・・!?
刺激的な噂話に揺れる中学生・タカシとその仲間たち。
忘れられない夜を越えて見つけたものとは―――!?
1987年の田舎町。中学生のタカシは、ずっと家でうじうじしている父親がカッコ悪くて嫌いだ。今日も婚約者を連れて帰って来た姉に対して情けない態度で見ていられない。町を歩いてるとすぐ絡んでくるヤンキーたちも鬱陶しいし、隣に住む幼なじみで巨乳のメグミがちょっと気になっている。そんなどうにもならない悶々とした日々を送っているタカシが柔道部の仲間たちと入り浸っている、町に一軒だけあるレンタルビデオ屋があった。そしてそこにAV女優のよくしまる今日子がサイン会にやって来るという噂が聞こえてきて・・・。予期せぬ事態、大騒動の果てにタカシはよくしまる今日子に会えるのか―――?
『14の夜』公式HPより引用。

3/12 上映作品

『アルジェの戦い』

1966/イタリア・アルジェリア (121分)
監督:ジッロ・ポンテコルヴォ

・第1部
開場             10:30 ~ 11:00
上映             11:00 ~ 13:00
・第2部
開場             13:30 ~ 14:00
上映             14:00 ~ 16:00











-冒頭
拷問され仲間の居場所を自白させられた男が、フランス兵たちに囲まれている。フランス軍の制服を着せられた男は、涙を流しながら窓から飛び降りようとするが、兵士たちは仲間のもとに戻るように強制する。やがて兵士たちは、男を連れ、カスバにあるアジトに乗り込む。壁の向こう側には、アリ・ラ・ポワントが、子供たちと共に身を潜めていた……。


- ストーリー

アルジェ、1954年

 

FLN(アルジェリア民族解放戦線)の声明第1号が流れる。 カスバのヨーロッパ人地区で、無法の賭けトランプをしているアラブ系の青年。警察に追われて走る彼を、フランス人の若者たちが転ばせ、笑い者にする。若者を殴りつけた青年は、民衆に取り囲まれ警察に拘束される。

その青年の名はアマール・アリ、通称アリ・ラ・ポワントだ。 1930年1月15日生まれで就学経験のないアリは、土木作業員やボクサーなどをしたものの、現在は失業中。少年時代から感化院に何度も出入りしていた彼は、そのまま刑務所に収監される。

 

その5ヶ月後

 

刑務所を脱獄したアリのもとに、FLNの使いである少年が伝令を持ってやってくる。そこには、カスバにあるカフェの主人で警官のスパイであるムハルビのことが書かれており、彼と通じている警官を殺すよう指示が出ていた。 指示通り街中で若い女から拳銃を受け取り、真正面から警官を撃ち殺そうとしたアリだが、拳銃には実弾が入っておらず、あわてて逃げ出す。 拳銃を渡した女に詰めよると、指示を与えたFLN幹部ジャファーの元へ連れて行かれる。アリが警察のスパイかどうかを試したがこれで本物の同志だと証明された、と言うジャファーは、敵と対峙する前に、堕落した連中を排除し味方を整理するべきだと話す。

 

1956年4月

 

FLN声明第24号によって、麻薬や酒の販売や消費、売春やその斡旋を厳しく禁じることが宣言される。 アリは市民の間に麻薬を流通させている古い友人ハッサンの処刑を命じられ、それを実行する。

 

1956年6月10日

 

マフムドとファティファの結婚式。簡素な式だが、FLN党員を始め、大勢のアルジェリア人たちが彼らの結婚を祝っている。

 

1956年6月20日

 

FLN党員たちが街で兵士を殺害し、また別の場所でも次々に警備隊員たちを襲撃する。襲撃事件の多発化に、警察は街での検問を強化していく。

 

1956年7月20日

 

またも街中で、FLNによる警官射殺事件が起こる。

 夜、8番地で爆破が起き、たくさんのアルジェリア市民たちが犠牲になる。それは、警察署長たちによる報復テロだった。

報復テロに対する民衆の抗議デモが発生。アリはデモ隊の先頭を切っていたが、走ってきた少年から、ジャファーがデモの中止を指示していることを知り、なんとか民衆を押しとどめる。

 

後日、FLNの指示により3人の女たちによる爆破テロが計画される。街ではますます検問が強化されていくが、一般市民を装った女たちはその監視の目をくぐりぬけ、フランス人たちが多く集まるカフェやレストラン、空港に爆弾を仕掛ける。各所で爆弾が破裂し、大勢が犠牲になる。

 

1957年1月10日

 

アルジェリアに、フィリップ・マチュー陸軍中佐率いるフランス第10空挺師団がやってくる。 マチュー中佐は、1907年、ボルドー生まれで、ノルマンディー作戦や反ナチのレジスタンス、インドシナ戦争へ参加した軍人。部下たちに、一般市民のなかに身を潜めるテロリストたちへの徹底的な抗戦を宣言。FLN組織の構造を暴くため、アルジェリアのあらゆる市民に対し尋問による捜査を行うよう指示をする。

 

1957年1月28日

 

アリジェリア問題が国連総会に上程されたのを機に、FLNによる8日間のゼネストが実施される。

その期間中はあらゆる戦闘が禁じられ、全世界へアピールすることが期待された。一方で、マチュー中佐によるスト破りの計画が進められている。

 

アリは、FLN幹部ベン・ムヒディを隠れ家に案内する。ふたりは、革命と暴力の関係についてそれぞれの立場で語り合う。「戦争も革命も同じだ。テロが有効なのは最初だけ。勝利を決めるのは民衆の行動だ」と語るムヒディ。 

 

軍によるスト破りが続く中、厳しい拷問を受けた男は、FLNの隠れ家を自白させられる。

 

1957年2月5日

 

スト最終日。

 国連では、アルジェリアの独立賛成の過半数を得られずに終わる。

 ますます厳しくなる軍の捜査によって、FLN党員たちも次々に逮捕されていく。FLN幹部たちは、隠れ家の移動と組織の再編について話し合う。話し合いが終わり、変装をしたアリとジャファーは帰路につくが、途中フランス軍に見つかり追い詰められる。知人の家の井戸の中に隠れ、なんとか追っ手をまくふたり。

 

1957年2月25日

 

大勢の客で賑わう競馬場で大規模な爆破テロが起こる。

 

1957年3月4日

 

ベン・ムヒディが逮捕され、報道陣の前で記者会見が行われる。会見で冷静に語るムヒディだが、後日、監房内で自ら命を絶つ。

 彼の自死を受け、記者団の間でもフランス軍による凄惨な拷問方法が話題に上り始める。

 

1957年8月26日

 

サン・ヴァンサン・ド・ポール路地で、FLN幹部のラメルとシ・ムラドがフランス軍によって包囲される。隠れ家に追い詰められたふたりは、爆弾を仕掛け、兵士たち諸共自爆する。

 

1957年9月24日

 

マチュー中佐たちがジャファーの家を包囲する。必死で抵抗するジャファーだが、家族を人質にとられ、投降する。

次々に仲間を失ったアリは、最後の抵抗として、マフムド、ハシバ、オマールたちと新たなテロ計画を練る。そこに、自白した男を連れたフランス兵たちがやってくる。

 

壁のなかでじっと身を潜めるアリたち。 マチュー中佐は、そこから出てこなければ家を爆破すると警告する。 次々に家に爆弾が仕掛けられ、カウントダウンが始まる。 大勢の市民たちがその様子をじっと見つめている。みなが見守るなか、猶予時間が過ぎ爆弾は破裂する。 

 

これでアルジェを制圧した、と語るマチュー中佐たち。

 

1960年12月11日

 

 

2年間、比較的静かな日々が過ぎたあと、予期せぬ動きがアルジェリア全土に広まっていく。民衆たちの行動が始まったのだ……。

 

 

 

 

 

『アルジェの戦い』公式HPより引用。

1/22 上映作品

『ふたりの桃源郷』

2016/日本 (87分)
監督:佐々木 聰 

・第1部
開場             10:30 ~ 11:00
上映             11:00 ~ 12:30
・第2部
開場             13:30 ~ 14:00
上映             14:00 ~ 15:30



- ストーリー
  「山」で暮らす夫婦と、支える家族

誰もが自分や家族に重ねずにはいられない、

25年間の貴重なドキュメント

 

山口県のローカル放送局・山口放送が、ある夫婦と彼らを支える家族の姿を足かけ25年にわたり追いかけたドキュメンタリー。

カメラが静かに捉え続けた、電気も水道もない山で暮らす夫婦と、離れて暮らす家族の姿は、多くの人々の心を掴み、再放送を望む声が局に寄せられるなど大反響を呼んだ。

 

山口県内および日本テレビ系列「NNNドキュメント」で長きにわたり放送され、「第4回日本放送文化大賞 テレビ・グランプリ」ほか数々の賞を受賞した伝説のシリーズ、待望の映画化!

 .

山口県岩国市美和町の山奥で暮らす田中寅夫さん・フサコさん夫妻。二人が、電気も電話も水道も通っていないこの山で暮らすのには、ある理由がありました。山は、戦後まもなく一からやり直そうと自分たちの手で切り開いた大切な場所。高度経済成長期に大阪へ移住し、三人の子供たちを育て上げた寅夫さんとフサコさんでしたが、夫婦で還暦を過ぎた時、「残りの人生は夫婦で、あの山で過ごそう」と、思い出の山に戻り、第二の人生を生きる道を選んだのでした。

 

畑でとれる季節の野菜、湧き水で沸かした風呂、窯で炊くご飯…かけがえのない二人の時間に、やがて「老い」が静かに訪れます。山のふもとの老人ホームに生活の拠点を移した後も、山のことが心から離れない二人。離れて暮らす家族の葛藤と模索。そして夫婦亡き後、残された家族に〈芽生えた〉ものとは――?そこには、現代における“幸せの形”のヒントがありました。

 

ふたりの桃源郷公式HPより引用。

12/4 上映作品

『千年の一滴 だし しょうゆ』

2014/日本・フランス (100分)
監督:柴田 昌平 

・第1部
開場             10:30 ~ 11:00
上映             11:00 ~ 12:40
トークショー   12:40 ~ 13:10
・第2部
開場             13:30 ~ 14:00
上映             14:00 ~ 15:40
トークショー   15:40 ~ 16:10




- あらすじ

日本人と自然との関係を、食を切り口に見つめるドキュメンタリー。


第1章「だし:大自然のエッセンス」

日本の味の基本、「だし」。これは仏教の肉食禁止令のもと、肉に代わる“うまみ”を探し求めた人々が、およそ千年かけて、雄大な自然から見つけたものでした。 
最新の食品科学は「だし」が健康によく、理にかなっていることを明らかにしています。 
漁師・農家・禅寺・料亭・科学者―。「だし」をめぐる人々の営みを追い、大自然から“うまみ”のエッセンスを取り出してきた日本人の知恵を描きます。

 


第2章 「しょうゆ:ミクロの世界との対話」

和食の“うまみ”がつまった調味料(しょうゆ・さけ・みりん・みそ)は、1種類のカビ(麹カビ)によって作られます。 
特撮を駆使したミクロの映像で、千年にわたって磨かれた職人たちの知恵と、麹カビによる和食創世のドラマを浮かび上がらせます。

 

11/6 上映作品

『孤独のススメ』

2013/オランダ (86分)
監督:ディーデリク・エビンゲ 

・第1部
開場             10:30 ~ 11:00
上映             11:00 ~ 12:30
・第2部
開場             13:30 ~ 14:00
上映             14:00 ~ 15:30




- イントロダクション & ストーリー
家族を失った孤独な男が手に入れたのは
しがらみを手放す力と新しい世界でした
オランダの田舎町、単調で振り子のような毎日を生きる男やもめのフレッド。人づきあいを避けひっそりと生活していた彼の元に、ある日突然、言葉も過去も持たない男テオが現れる。帰すべき家も分からず、やむなく始まった奇妙な共同生活だったが、ルールに縛られていたフレッドの日常がざわめき始め、いつしか鮮やかに色づいていく――。心のままに生きることは難しい、でも大切なものに気づかない人生ほどわびしいものはない。すべてを失くした男が、名前すら持たない男から学んだ幸せとは――?

 

『孤独のススメ』公式HPより引用。

10/2上映作品

『下衆の愛』

2015/日本 (110分)
監督:内田 英治

・第1部
開場             10:30 ~ 11:00
上映             11:00 ~ 13:00
・第2部
開場             13:30 ~ 14:00
上映             14:00 ~ 16:00
- イントロダクション
カネなし、甲斐性なし。どん底のインディーズフィルムシーンを舞台にした最高に下衆な映画が誕生した。三池崇・石井岳龍・豊田利晃監督など“監督に愛される怪優”渋川清彦が、夢を諦めきれないアラフォーのゲス監督を演じる。才能溢れる新人女優役として、スな監督たちを魅了するヒロインには主演作『飛べないコトリとメリーゴーランド』や『図書館戦争 THE LAST MISSION』で注目の新星、岡野真也。渋川の相棒でもあるゲスプロデューサー役には園子温作品でもおなじみのでんでん。さらには現在人気沸騰中の木下ほうか、津田寛治をはじめ、内田滋、忍成修吾、細田善彦、古舘寛治ら個性派が固める。製作プロデューサーにはアダム・トレル(『希望の国』『福福荘の福ちゃん』)。メガホンを握るのは『グレイトフルデッド』が世界30ヶ国で上映。ゆうばり国際ファンタスティック映画祭、ブリュッセルファンタスティック国際映画祭などの主要映画祭で注目を集めた内田英治監督。
- ストーリー
映画監督のテツオは40歳を目前にしながらも夢を諦めきれないパラサイトニート。映画祭での受賞経験が唯一の自慢。監督とは名ばかりで女優を自宅に連れ込む自堕落な毎日をおくっていた。しかしある日、才能溢れる新人女優・ミナミとの出会いにより新たな希望が生まれて新作映画の実現に奔走する。「裸と動物」にこだわる団塊世代のプロデューサー貴田や、枕営業にすべてをかける売れない女優・響子、自らのハメ撮りで生計をたてる助監督のマモルなど、映画界の底辺に巣くう仲間たちと最後の賭けに出ようとする。しかしそんなテツオの前に現実の壁が立ちふさがる。映画作りを巡る夢と現実がテツオの中で交差するのであった。
『下衆の愛』公式HPより引用。
岳龍・豊田利晃監督など“監督に愛される怪優”渋川清彦が、夢を諦めきれないアラフォーのゲス監督を演じる。才能溢れる新人女優役として、スな監督たちを魅了するヒロインには主演作『飛べないコトリとメリーゴーランド』や『図書館戦争 THE LAST MISSION』で注目の新星、岡野真也。渋川の相棒でもあるゲスプロデューサー役には園子温作品でもおなじみのでんでん。さらには現在人気沸騰中の木下ほうか、津田寛治をはじめ、内田滋、忍成修吾、細田善彦、古舘寛治ら個性派が固める。製作プロデューサーにはアダム・トレル(『希望の国』『福福荘の福ちゃん』)。メガホンを握るのは『グレイトフルデッド』が世界30ヶ国で上映。ゆうばり国際ファンタスティック映画祭、ブリュッセルファンタスティック国際映画祭などの主要映画祭で注目を集めた内田英治監督。し、甲斐性なし。どん底のインディーズフィルムシーンを舞台にした最高に下衆な映画が誕生した。三池崇・石井岳龍・豊田利晃監督など“監督に愛される怪優”渋川清彦が、夢を諦めきれないアラフォーのゲス監督を演じる。才能溢れる新人女優役として、スな監督たちを魅了するヒロインには主演作『飛べないコトリとメリーゴーランド』や『図書館戦争 THE LAST MISSION』で注目の新星、岡野真也。渋川の相棒でもあるゲスプロデューサー役には園子温作品でもおなじみのでんでん。さらには現在人気沸騰中の木下ほうか、津田寛治をはじめ、内田滋、忍成修吾、細田善彦、古舘寛治ら個性派が固める。製作プロデューサーにはアダム・トレル(『希望の国』『福福荘の福ちゃん』)。メガホンを握るのは『グレイトフルデッド』が世界30ヶ国で上映。ゆうばり国際ファンタスティック映画祭、ブリュッセルファンタスティック国際映画祭などの主要映画祭で注目を集めた内田英治監督。

9/4上映作品

『恋』

2014/日本 (83分)
監督:長澤 雅彦

・第1部
開場             10:30 ~ 11:00
上映             11:00 ~ 12:30
長澤 監督    12:30 ~ 
脚本 足立 紳さん
トークショー
・第2部
開場             13:30 ~ 14:00
上映             14:00 ~ 15:30
長澤 監督    15:30 ~
脚本 足立 紳さん
トークショー


- イントロダクション

奇祭「きつねの嫁入り」にまつわる秘密が、 不器用な大人の恋に“奇跡”を起こす―。
山口県の南東部に位置する下松市(くだまつし)。笠戸島に代表される豊かな自然と、新幹線をはじめ、鉄道車両等を製作するものづくりの会社が立ち並ぶ街。その街の中にあって、江戸時代の街道の面影を今に伝える花岡地域では、不思議な白ぎつね伝説に由来する、きつねの嫁入り行列を行う奇祭「稲穂祭」が毎年行われている。この行列では毎年市内の独身男女が新郎新婦役に選ばれ、きつねの面を被って参加するが、誰が選ばれたかは絶対に秘密であり、祭りの前も後も、それは絶対に明かしてはならない。そして、新郎新婦に選ばれた人は、必ず良縁に恵まれるという。この神秘的で叙情的なお祭りをモチーフに、瀬戸内の穏やかな街に昔も今も息づく人情を全国に発信しようと、切ない大人の男女の物語が今ここに完成しました!

 

- ストーリー
 
物語は、鉄道車両の溶接工で、妻に先立たれた徳田昭男が同じ会社の食堂で働く吉野咲子に惹かれるところから始まる。昭男、咲子、そして昭男の亡き妻には、稲穂祭の「きつねの嫁入り」にまつわる共通した「秘密」があった。今、切ない大人の「恋物語」が紡がれる―。
『恋』公式HPより引用。

7/31 上映作品

『蔦監督』

2015/日本 (126分)
監督:蔦 哲一朗

・第1部
開場             10:00 ~ 10:30
上映             10:30 ~ 12:35
蔦 監督     12:35 ~ 13:30
トークショー
・第2部
開場             14:00 ~ 14:30
上映             14:30 ~ 16:35
蔦 監督     16:35 ~ 17:30
トークショー


- イントロダクション

蔦文也の軌跡が映像で蘇る!
今なお高校野球ナンバー1の名将として人気を誇る、池田高校の蔦文也監督。その風貌と独自の野球理論から”攻めダルマ”の愛称で全国の人々に親しまれ、山あいの県立高校を率いて甲子園で優勝3回、準優勝2回の偉業を成し遂げた。『さわやかイレブン』『やまびこ打線』KKコンビ(桑田・清原)擁するPL学園との対決など、数々の名シーンを生み出し、高校野球史にその名を刻む蔦文也の知られざる姿が、今ドキュメンタリー映像としてよみがえる。
 
水野、畠山など当時の関係者が総出演!
甲子園ブームにより一躍、全国の注目の的となった徳島県立池田高校。このドキュメンタリーは、池田野球部を築き上げてきた関係者たちからの証言により”蔦文也の魂”を追憶するスピリチュアルムービーである。
プロ野球で活躍した水野雄仁、畠山準をはじめとする池田高校野球部の歴代のメンバーや、監督を支えてきたコーチや部長たちが総出演し、また千利休を祖に持つ千玄室が共に特攻要員だった戦時中の体験を語っている。そして、蔦文也に長年寄り添い、球児たちを育て上げた池田野球部の母でもある妻・キミ子の証言もカメラに収め、監督として、教育者として、夫・父としての蔦文也の知られざる顔が明らかになる。
映画監督である孫が追う蔦文也の素顔!
ピアノ音楽はなんと、あの新垣隆!
監督は蔦文也の孫で、徳島を舞台にした映画「祖谷物語ーおくのひとー」でデビューし海外映画祭でも評価を得た蔦哲一朗。またピアノ音楽は新垣隆氏が担当し、優雅な演奏で作品にを花を添えている。
 
『蔦監督』公式HPより引用。

6/26 上映作品

『愛する人へ』

2013/デンマーク (95分)
監督:パニル・フィッシャー・クリステンセン

・第1部
開場             10:30 ~ 11:00
上映             11:00 ~ 12:35

・第2部
開場             13:30 ~ 14:00
上映             14:00 ~ 15:35



- ストーリー

トーマスは、世界的な成功を収め、LAを拠点に活動しているシンガーソングライター。アルバムのレコーディングのため、母国であるデンマークへ帰国したばかりだ。そこに、疎遠にしていた娘のジュリーが11歳の息子のノアを連れて訪ねて来る。ジュリーは、職場の指示で薬物更正施設に入らなければならないため、その間預かって欲しいとトーマスにノアを押し付けて行ってしまう。娘が幼い頃に離婚したトーマスは、突然現れた孫との生活に戸惑うが、仕事仲間やホームヘルパーのサポートもあり、ようやくノアとも心を通わせ始めていた。そんなある日、トーマスは、施設での生活に耐え切れなくなったジュリーに助けを求められるが…。


- 作品紹介
主人公のトーマスは、今は克服しているが、薬物、アルコール中毒だった過去を持ち、娘が幼い頃に離婚している。トーマス自身も親の愛情を受けずに育ち、家族の愛し方が分からないまま家庭を持ったため続かなかったのだろう。そして、その娘のジュリーにも問題は継承されていく。彼女も離婚をし、シングルマザーで子育てをしながらもキャリアを築いていたが、職場から更正施設入りを命じられるほど深刻な薬物中毒者になっていた。トーマスは自分勝手に生きてきたというより、自分勝手にしか生きられない不器用な人間だったのだろう。音楽を通じてノアと心を通じ合わせるようになるものの、助けを求める娘とは真剣に向き合えず、傷付いた孫を抱きしめることもできない。しかし、ある悲劇に直面することによってようやく自身と向き合い、そうして下した決断はこの悲しみの連鎖の終焉を予感させる。
ペアネレ・フェシャー・クリスチャンセン監督は、2006年の長編デビュー作"A Soap"でベルリン国際映画祭で銀熊賞と新人賞をW受賞。本作は長編4作目にあたり、2014年のスキップシティDシネマ映画祭で来日している。『未来を生きる君たちへ』、『悪党に粛清を』のミカエル・パーシュブラントが、本作のためにレッスンを重ね、レナード・コーエンを彷彿とさせる渋い歌声を披露している。トーマスの仕事仲間でプロデューサーのモリー役には『未来を生きる君たちへ』でミカエル・パーシュブラントの妻を演じたトリーヌ・ディルホム。娘のジュリー役には『ピッチ・パーフェクト2』でベラーズの強烈なライバルを演じたビアギッテ・ヨート・スレンセン。300人の候補の中から選ばれたノア役のソーフス・レノヴは、心の機微を表情やしぐさで巧みに表現し、ベテラン俳優陣と互角の演技を見せる。劇中でトーマスとモリーが作り上げる楽曲は、デンマークのシンガーソングライターのティナ・ディコ(Tina Dico)とシンガーのマリー・フィスカー(Marie Fisker)が手掛け、デンマークアカデミー(ロバート)賞オリジナル作曲賞を受賞。マリア・フィスカーはパーシュブラントの歌のコーチも務めた。また、デンマークでのトーマスの自宅として、アンデルセンも滞在したことがあるというロマン主義時代のお城が撮影に使用されている。(細川)
 

5/29 上映作品

『セバスチャン・サルガド 地球へのラブレター』

2014/フランス・ブラジル・イタリア (110分)
監督:ヴィム・ヴェンダース、
      ジュリアーノ・リベイロ・サルガド

・第1部
開場             09:30 ~ 10:00
上映             10:00 ~ 11:50
・第2部
開場             12:30 ~ 13:00
上映             13:00 ~ 14:50

・第3部
開場             15:30 ~ 16:00
上映             16:00 ~ 17:50

 

- イントロダクション
巨匠ヴィム・ヴェンダース最新作
「神の眼」を持つ写真家の素顔に迫る感動のドキュメント!
 
ブラジルに生まれ、ユージン・スミス賞をはじめ、多くの賞を受賞する世界的な報道写真家であり、大自然の保全や復元に尽力する環境活動家としても知られている今世紀最も偉大な写真家セバスチャン・サルガド。
 彼の作品は、たった一枚で見る者の心を打ち、人生を変えてしまうほどの深い感動を呼び起こす―。“神の眼”とも呼ばれる奇跡的な構図、モノクロを基調とし荘厳なまでに美しい作品の数々を彼はいかにして撮りつづけて来たのか?
 『パリ、テキサス』『ベルリン・天使の詩』などの劇映画のみならず、数々の傑作ドキュメンタリーを世に送り出してきたヴェンダース監督とサルガドの長男であるジュリアーノ・リベイロ・サルガド監督、二人の映像作家がそれぞれの切り口で稀代の写真家の人生を辿って行く。本年度アカデミー賞最優秀長編ドキュメンタリー映画賞ノミネートをはじめ、世界の映画祭で絶賛された感動の映像叙事詩!
 
8年の歳月をかけた最後のプロジェクト「GENESIS(ジェネシス)」。
サルガドのレンズが見つめるのは、かけがえのない地球の姿
 
 これまでサルガドは常に人間と向き合い、死、破壊、腐敗といった根源的なテーマを扱ってきた。だが、ルワンダ内戦のあまりにも悲惨な光景を前に深く傷つき、心を病んでしまう。故郷ブラジルに戻ったサルガドを待っていたのは、まるで彼の心を写したかのように干上がり、荒れ果てた大地だった。長年連れ添い、いくつものプロジェクトに二人三脚で携わってきた建築家の妻レリアは、ある壮大な提案をする。それは、二人の新しいプロジェクトの始まりだった―。
 2004年から始められた「GENESIS(ジェネシス)」では今も地球上に残る未開の場所―ガラパゴス、アラスカ、サハラ砂漠、アマゾン熱帯雨林など、生と死が極限に交わる、ありのままの地球の姿がカメラにおさめられる。
 サルガドは言う、「GENESIS(ジェネシス)」とは地球への“ラブレター”なのだと。誰もが息をのみ、胸打たれる構図に込められたサルガドの想い。それは人間の闇を見つめ続けてきた男が、幾多の苦しみの果てに見い出した、希望への祈りなのだ。
 
 

4/3 上映作品

『元気屋の戯言』

2012/日本 (90分)
監督:上原 源太

・午前の部
開場             10:30 ~ 11:00
上映             11:00 ~ 12:30
主演        12:30 ~ 13:30
元気屋エイジさん
トークショー

・午後の部
開場             14:00 ~ 14:30
上映             14:30 ~ 16:00
主演        16:00 ~ 17:00
元気屋エイジさん
トークショー

- イントロダクション
ある夏の猛暑日に渋谷の街で「元気屋エイジ」の企画は動き出した。"元気屋"に惚れた取り巻きの俳優陣、監督上原源太の個性ある映像美に、そして彼らの熱い心に賛同した多くのスタッフとボランティアが、変わりゆく現代の渋谷を舞台に、そこに新しいマグマを生み出すことに賭けた。カメラの非情な目は、そんな街のこれまで一般人が立ち寄らないところまで入り込み、社会のもつ問題をさりげなくあぶり出してもいる。エッジの効いたカメラワークとともに、奇妙ともいえる映像美で最後まで観るものを惹きつけていく。
主演をつとめる元気屋エイジの実体験を元に、彼そのものの性格をストレートかつ、親近感のあるリアルヒーローとして映し出した。ヒロインのリ・シオンを演じているのは菊池真琴。元気屋エイジが某大学でスカウトした素人であるが、韓国人という設定によりリアル感ある演者に仕上がった。主役そしてヒロインを取り巻く俳優陣は、映画やTV・CMで活躍する個性派ばかりだ。こうした役者の盛り立てがあったからこそ、この映画が魅力ある作品に仕上がっているのだ。

- ストーリー
夢想家であり自称「元気屋」を名乗るエイジは、日々渋谷をエリアにビラ配りで糧をしのぎ、ポエトリーリーディングと彼の性格からくるお節介で世直しを願う古風でダサい男である。ある日エイジは可愛い韓国人女性リ・シオンと出会う。しかし彼女は、男性を甘い言葉で騙す詐欺師として警察に目を付けられていたのだ。このリ・シオンとの出会いをきっかけに、エイジは思わぬハプニングに遭遇していく。「彼女を更生させたい」と願う彼の前には、執拗に彼女を追う組織が立ちふさがる。不器用なエイジは、彼女に何ができるのか。そしてその結末は。エイジは今日もまた走り、語り、いつものようにお節介し、声を掛けてゆく。元気になるために、元気屋であり続けるために。
※『元気屋の戯言』ポスターより引用。

 

3/13 上映作品

『わたしの、終わらない旅』

2015/日本 (78分)
監督:坂田 雅子
・午前の部
開場             11:30 ~ 12:00
上映             12:00 ~ 13:20
坂田監督     13:20 ~ 14:00
トークショー
・午後の部
開場             14:30 ~ 15:00
上映             15:00 ~ 16:20
坂田監督     16:20 ~ 17:00
トークショー

 

- イントロダクション

 

「聞いてください」子どもたちのために
そして、まだ生まれていない未来の子どもたちのために
 
2011年3月。福島第一原発の事故の深刻さが明らかになる中、捉えようのない不安を胸に坂田雅子は亡き母が遺した一冊の本を手に取る。「聞いてください」と題されたそれは、母が1977年から続けていた原発を問うミニコミ紙をまとめたものだった。
 
フランスの再処理工場近くに暮らす姉からの1通の手紙をきっかけに反原発運動をはじめた母は、最期まで原発のことを気にかけていた。そして起こった福島の事故——。
私たちはどうしてここまできてしまったのだろう?
仏・国際環境映画祭審査員賞、
毎日映画コンクールドキュメンタリー映画賞ほか受賞の坂田雅子監督が、
核の時代とその未来を問う旅に出る。
 
『花はどこへいった』『沈黙の春を生きて』で世代を超えた枯れ葉剤の被害を描いてきた坂田雅子監督が選んだ新たなテーマは「核」。
 
福島第一原発の事故がもたらした現実に心震えながら、今は亡き母が数十年前から続けていた反原発運動の意味に、改めて気づいた坂田。彼女は、母親と自身の2世代にわたる想いを胸に、兵器と原発という二面性を持つ核エネルギーの歴史を辿る旅に出る。フランスの核再処理施設の対岸の島に暮らす姉を訪ね、大規模な核実験が繰り返し行われたマーシャル諸島で故郷を追われた島の人々に出会い、そしてカザフスタンでは旧ソ連による核実験で汚染された大地で生きる人々をみつめる。
 
広島・長崎・第五福竜丸、3度もの被爆を体験した日本。しかし「核の平和利用」を夢みて、原発を推進してきた私たちの時代。
 「聞いてください」核に翻弄された人々の声なき声を。
 
坂田雅子監督による渾身のドキュメンタリー。
 
 

坂田 雅子 監督プロフィール

 

ドキュメンタリー映画監督。

 

 

1948年、長野県生まれ。65年から66年、AFS交換留学生として米国メイン州の高校に学ぶ。帰国後、京都大学文学部哲学科で社会学を専攻。1976年から2008年まで写真通信社に勤務および経営。2003年、夫のグレッグ・デイビスの死をきっかけに、枯葉剤についての映画製作を決意し、ベトナムと米国で、枯葉剤の被害者やその家族、ベトナム帰還兵、科学者等にインタビュー取材を行う。2007年、『花はどこへいった』を完成させる。本作は毎日ドキュメンタリー賞、パリ国際環境映画祭特別賞、アースビジョン審査員賞などを受賞。2011年、NHKのETV特集「枯葉剤の傷痕を見つめて〜アメリカ・ベトナム 次世代からの問いかけ」を制作し、ギャラクシー賞、他を受賞。同年2作目となる「沈黙の春を生きて」を発表。仏・ヴァレンシエンヌ映画祭にて批評家賞、観客賞をダブル受賞したほか、文化庁映画賞・文化記録映画部門優秀賞にも選出された。

 

 

※映画情報・監督プロフィールは『わたしの、終わらない旅』公式HPより抜粋

2/21 上映作品

『Cu-bop(キューバップ)』

2014/日本 (107分)
監督:高橋 慎一
・午前の部
開場             10:00 ~ 10:30
上映             10:30 ~ 12:20
高橋監督     12:20 ~ 13:30
トークショー
・午後の部
開場             14:00 ~ 14:30
上映             14:30 ~ 16:20
高橋監督     16:20 ~ 17:30
トークショー

 

 

- イントロダクション

 

音楽大国として知られるキューバ共和国。世界的に評価されるミュージシャンが数多く誕生しているが、彼らは長く続く米国の経済封鎖等、困難な状況のなか音楽活動を続けている。

 映画『Cu-Bop CUB〜New York music documentary』は、困難に直面しながらも、それをものともせずに、自分の音楽を演奏し続けるキューバのミュージシャンたちを記録したドキュメンタリー作品だ。キューバに残り音楽活動を続ける者、ジャズの本場であるアメリカ合衆国に移住する者…。その両者の元へ、監督自らカメラを持って自宅に泊まり込み、寝食を共にしながら『音楽が生まれる瞬間』を記録する取材方式によってこの映画は撮影された。

 

- ストーリー

 

『Kamita Label』はキューバ音楽のCDを制作する、日本人によるプロジェクト・チームだ。2000年のレーベル設立以来、数多くのCDをプロデュースし、キューバ国内の権威ある音楽賞にノミネートされるまでになった。しかし、レーベルの設立から13年が経ち、キューバ音楽を取り巻く状況が大きく変化し始め、録音に参加したアーティストたちの生活も一様ではなくなった。

 

キューバのNo.1サックス奏者セサル・ロペスは祖国での活動を続ける選択をした。社会主義を堅持し、モノ不足が慢性化したキューバでは不自由な生活が当たり前。ジャズの音源チェックは古道具屋で漁ってきたアナログレコードで行い、自宅倉庫を改装した即席の音楽スタジオにオンボロ楽器を持ち寄って、音楽仲間と熱いセッションを繰り広げる日々。

 

一方、若き天才ピアニストのアクセル・トスカは、6年前に海外ツアーへ出た折、ニューヨークの音大のスカラシップを獲得して米国へ移住した。キューバとは長年、政治的敵対関係が続くアメリカ合衆国。あこがれ続けたジャズの聖地で理想の音楽を追求するが生活は決して楽ではなく、地下鉄に乗る金にも事欠き、ハーレムのボロアパートでコッペパンをかじって糊口をしのぐ毎日。しかしこんな生活でも、数年前に経験した宿無しの日々を思えば、いくらかマシなのだが。

 

 

米国とキューバ、セサルとアクセルの日常に触れた『Kamita Label』運営チームは、思い切ってキューバでのレコーディングライブを企画する。アクセルのバンドメンバーは、一人は米国人ルケス・カーティス、もう一人はキューバからの亡命者を父に持つ在米キューバ人のアマウリ・アコスタ。それぞれにキューバ音楽への熱い想いを抱いた2人は、アクセルと共にキューバにやって来ることになった。キューバ、米国両政府の正式な許可を得ないまま、メキシコシティを経由してどうにかハバナの空港へと降りたったアクセル一行。そして彼らが繰り広げる熱いライブが、キューバの若者から政府の役人まで、多くの人々の心を動かしてゆく…。

 

『Cu-bop』公式HPより抜粋

 

12/6 上映作品

『チョコレートドーナツ』

2012/アメリカ (97分)
監督:トラヴィス・ファイン
・第1部
開場              9:30 ~ 10:00
上映             10:00 ~ 11:40
・第2部
開場             12:30 ~ 13:00
上映             13:00 ~ 14:40

 

・第3部

開場             15:30 ~ 16:00
上映             16:00 ~ 17:40

 

- イントロダクション

 

全米絶賛! 観客賞を総ナメにした、実話から生まれた魂を震わす感動作

 

1970年代のアメリカ・ブルックリンで実際にあった「障がいを持ち、母親に育児放棄された子どもと、家族のように過ごすゲイの話」。本作はモデルになった男性と同じアパートに住んでいたジョージ・アーサー・ブルームによってシナリオ化された。2011年、トラヴィス・ファイン監督はこのシナリオを読み、崩れ落ちて涙を流したという。トラヴィス自身はゲイではない。だが、愛するわが子を奪われる苦しみに普遍性を感じたという。出会うこと、求めること、守ること、愛すること……ゲイもダウン症も関係なく、魂のレベルで求め合う愛はすべての人の心に届く。そして、『チョコレートドーナツ』は全米中の映画祭で上映され感動の渦に巻き込み、各地で観客賞を総ナメにするという快挙を成し遂げた。

 

- ストーリー

心にぽっかりと空いた穴を埋めることなんてできないと思ってた。あなたに会うまでは。

 

1979年、カリフォルニア。

ある夜、ポールはシンガーを夢見ながらもダンサーとして働いているルディと出会う。ふたりはすぐに惹かれあい、たちまち恋に落ちた。

 

「夢はベッド・ミドラーのようなシンガーになること」 「なるべきだ」

「法律を学び世界を変えようとこの街へ来た」 「世界は変えられた?」

 

ルディが暮らすアパートの隣には、ダウン症の子ども・マルコが住んでいた。ある夜、大音量で音楽をかけっぱなしのままマルコをひとり残し、薬物依存症の母親は男といなくなってしまう。翌朝、ルディが騒音を注意しに乗り込んだ部屋には、ただ小さくうずくまり母親の帰宅を待つマルコがいた。

 

ルディはポールに助言をもらおうと、ポールが働く検事局に向かう。しかし、ポールからは、「家庭局に連絡してマルコを施設に預けろ」と言い捨てられる。失望したルディがアパートに戻ると、マルコの母親は薬物所持で逮捕されていた。そして、マルコはお気に入りの人形・アシュリーを抱きしめたまま、強制的に施設に連れて行かれてしまう。

 

翌日、ルディとポールは再会する。昨日の言葉を詫びるポール。お互いが歩んできた人生をそれぞれ打ち明けて、ふたりはさらに深い結びつきを確信する。その帰り道、夜の街をひとり歩くマルコがいた。家に戻ろうと、施設を抜け出していたのだ。「薬物依存の母親もダウン症に生まれたこともマルコのせいじゃない」と憤るルディ。そして、ポールとルディは“いとこ”と関係を偽り、マルコとともに暮らし始める。

 

「夕食にドーナツなんて体に悪いわ」 「ちょっとなら問題ないよ」

 

マルコは初めて学校に通い始める。ポールはマルコの宿題を手伝い、ルディは毎朝朝食を作り、眠る前にはハッピーエンドの話を聞かせて眠らせる……。まるで本当の両親のように、ふたりはマルコを愛し、大切に育てた。

 

 

「キスは小さな幸運のおまじない。でもね、その小さな幸運が物を言うの」

 

ルディはポールから贈られたテープレコーダーでデモテープを作る。マルコと送ったそのテープがクラブオーナーの目にとまり、シンガーの夢をつかむ。

3人で暮らし始めて約1年が経ったある日、ポールとルディがゲイのカップルであることが周囲に知られてしまう。ふたりの関係を偽ったことが原因で、マルコは家庭局に連れていかれ、ポールは仕事を解雇されてしまう。

 

「これは差別なのよ」 「差別じゃない。現実だ」

 

『チョコレートドーナツ』公式HPより抜粋

11/8 上映作品

この作品は藤沢国際映画祭参加作品です。

 『アナタの白子に戻り鰹』

2013/日本 (50分)
監督:今井真 

・午前の部
開場             13:30 ~ 14:00
上映             14:00 ~ 15:00
今井真監督       15:00 ~ 15:30
トークショー

・午後の部
開場             16:30 ~ 17:00
上映             17:00 ~ 18:00
森田釣竿さん   18:00 ~ 18:30
トークショー



- イントロダクション

 

浦安漁港にあの男が帰ってきた!

 

密漁者に重傷を負わせ服役していた勝男。

そんな勝男を港の仲間は温かく迎え入れ、さかな屋としての平穏な日常が戻ってきた。

 

そこに現れる怪しい男中島。。。

 

漁港で繰り広げられる抱腹絶倒の人情喜劇をご笑覧あれ!

 

 

主演 森田釣竿がボーカルをつとめるフィッシュロック

バンド「漁港」による主題歌は必聴!!

また森田さんは実際にさかな屋を兼業されていることもあり、作中の見事な魚さばきにもご注目を!

11/1 上映作品

 

この作品は藤沢国際映画際参加作品です。

 『ギターマダガスカル』

2014/日本 (106分)
監督:亀井岳 

・午前の部
開場             10:30 ~ 11:00
上映             11:00 ~ 13:00
監督トークショー 13:00 ~ 13:30

・午後の部
開場             14:00 ~ 14:30
上映             14:30 ~ 16:30

監督トークショー 16:30 ~ 17:00

 

- イントロダクション

 

インド洋に浮かぶ"奇跡の島"マダガスカル。固有の生態系と文化を持つこの島では、雄大な自然と人、そして先祖との霊的な交流のなかで独自の伝統が紡がれてきた。そんなマダガスカルで生まれた音楽には、聴く者を魅了する豊かなメロディと、島での日常に根ざした特別なグルーヴ感が溢れている。

この映画は、トミノ、ババ、テタ、デガリといった世界的にも著名な現地ミュージシャンたちが、マダガスカル音楽のルーツを辿るロードムービー。ある者は壊れた楽器を携え故郷を目指し、ある者は死者と対話する儀式からインスピレーションを得る……。異なる故郷をルーツに持つ4人の旅に導かれた物語は、やがて私たち日本人がまったく知らなかったマダガスカルを、そして彼らの驚くべき死生観をも浮かび上がらせる。

監督の亀井岳は、自身の旅の体験に着想を得た『チャンドマニ〜モンゴル ホーミーの源流へ〜』で2009年に長編映画デビュー。本作では満を持し、自らが憧れ続けたマダガスカル音楽をメインテーマに前作同様、最小人数の日本人スタッフで渡航し、現地の人々とともに映画を完成させた。

 

※『ギターマダガスカル』公式HP(画面上段タイトルにリンク)より引用

10/4 上映作品

  『はじまりのうた』

2014/アメリカ (104分)
監督:ジョン・カーニー 

・午前の部
開場             10:30 ~ 11:00
上映             11:00 ~ 13:00

・午後の部
開場             14:00 ~ 14:30
上映             14:30 ~ 16:30

- イントロダクション

ニューヨークの街角から最高にハッピーで元気になれる物語が届いた。監督はアカデミー賞®受賞『ONCE ダブリンの街角で』で世界的に注目を集めたジョン・カーニー。

ダブリンを舞台にストリート・ミュージシャンの恋物語を描いた前作は、2014年秋には舞台版も来日するなど今なお話題が尽きない。今回はダブリンからニューヨークへと舞台を移し、悩める人々が音楽を通じて運命を切り開く姿を温かなまなざしで描き出した。
恋愛、家族、仕事、夢・・・様々な問題に頭を悩ませながら生きている人々。

そんな彼らを音楽が結びつけ、人生の新たな一歩を踏み出すきっかけを作る―『はじまりのうた』は2014年6月に全米5館で限定公開され、同時期に公開された超大作の『トランスフォーマー/ロストエイジ』を抜き、スクリーン・アベレージ第1位を獲得!

その後、クチコミでその人気が拡がり1300館以上まで拡大し、並み居る大作の中3週目には全米9位を記録、オスカー受賞の前作『ONCE ダブリンの街角で』を超える大ヒット作品となった。

 

- ストーリー

 

ミュージシャンのデイヴ(アダム・レヴィーン)と恋人のグレタ(キーラ・ナイトレイ)は、二人で作った曲が映画主題歌に抜擢されてメジャーデビューが決定。初めて、ニューヨークにやってきた。今までとは違う、セレブのような生活。しかし、スターとして忙しくなるデイヴとすれ違いの日々が続くなか、彼の浮気が発覚。夢のような状況から一転、行き場の無い孤独へと突き落とされてしまったグレタは行くあてのないまま街をさまよい、旧友であり、売れないミュージシャンのスティーヴ(ジェームズ・コーデン)の家へ転がり込む。

 

スティーヴは失意の彼女をそのまま放っておけず、自分が登壇する小さなバーのライヴに連れて行き、そこでグレタをステージに誘う。浮かない表情のままステージに上がり一曲披露するが、歌は全く受けなかった。ところが、目を輝かせたホームレス風の男、ダン(マーク・ラファロ)が近づいてきて彼女の歌を絶賛し始める。男は自分が音楽プロデューサーだと明かし、一緒にアルバムを作ろうと持ちかける。

 

ダンは、かつて数々のアーティストをブレイクさせ、レコード会社を設立するほどの敏腕プロデューサーだったが、昔気質の性格と時代の流れに対応できず、自分が設立した会社をクビになったばかり。家庭もある事件をきっかけに崩壊し、妻や娘と別居状態。愛する娘バイオレット(ヘイリー・スタインフェルド)からも煙たがられていた。何もかもうまくいかないことに腹を立て、飲み歩いていた時に偶然出会ったのがグレタだったのだ。

 

彼女の才能に惚れ込んだダンは、恋にも夢にも破れて歌を忘れようとする彼女を何とか説得。追い出されたレコード会社に彼女を売り込みにいくが、協力を断られてしまう。二人にはスタジオを借りたり、ミュージシャンを呼んだりするだけのお金がなかったが、ダンが名案を思いつく。「スタジオなんかいらない。PCと編集ソフトと高性能なマイクがあれば、どこでも録れるじゃないか!ニューヨークの喧噪も歌の伴奏にして、アルバムを作ろう!」

 

このダンの情熱に、グレタの心は動かされ、初めて自分のために歌ってみようと決意。エンパイアステートビル、セントラルパーク、地下鉄のホームとゲリラレコーディングは進み、二人の関係は友人以上の微妙な関係へと発展していく。そして、この無謀な企画は小さな奇跡を起こし始める。ひょんなことからダンの娘もギターで参加することになり、妻も現場に現れる。

 

さらに自分をクビにしたレコード会社に曲を聴かせると、興味を持ち始めた。そんなある日、今ではトップアーティストとなったデイヴから「よりを戻したい」というメール。心揺れるグレタだったが、一番自分らしく、新しい生き方を手に入れる決断をしようとしていた。そして、アルバムが完成したその日、誰も予想できなかった最高のはじまりが待っていた。

 

※『はじまりのうた』公式HP(画面上段タイトルにリンク)より引用

9/6 上映作品

 『傷だらけのふたり』

2014/韓国 (120分)
監督:ハン・ドンウク 

・午前の部
開場             10:30 ~ 11:00
上映             11:00 ~ 13:00

・午後の部
開場             14:00 ~ 14:30
上映             14:30 ~ 16:30

 

- イントロダクション

自分の思い通りに生きてきた。

ただ一つ、思い通りにいかない事がある。

それも人生でたった一度。

 

男は40年間、自分の思い通り好き勝手に生きてきた。これからも、何ものにも束縛されることなく、勝手気ままに生きるつもりだった。だが、ある日、思いがけず彼女に出会ってしまった。彼女をひと目見た瞬間、雷に撃たれたかのように、恋に落ちてしまう男。それは、男にとって、人生でたった1度の、最初で最後の恋だった。

 

 『傷だらけのふたり』は、そんな無骨な男の、つたなくも一途な愛と、その愛によって手繰り寄せられる家族の絆や友情の物語だ。韓国では、2014年1月22日に公開され、観客動員数累計200万人のスマッシュヒットを記録。日本でも、〈SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2014〉長編コンペティション部門で正式上映され、観客の感涙を大いに喚起した。素朴だが人間味にあふれ、眼を潤ませながらも、思わず笑みがこぼれるような、心を熱く揺すぶる珠玉のラブストーリーである。 

 

- ストーリー

海に面した地方都市・群山(クンサン)で、高利の金融会社テサン実業の部長として、借金取立てに勢を出す男テイル(ファン・ジョンミン)。借金を取立てるために、ガソリンを巻き散らすばかりか、それを自ら飲んでみせる無謀で粗野な男である。その反面、借金をせがむ牧師に、会社の承認を得ていない金を個人的に貸したり、取立てた金から子供の塾の月謝分だけ返してやるなど、案外情に脆く人情の厚いお人好しでもある。ある日、昏睡状態に陥った男の借金を取立てようと、クンサン医療院を訪れたテイルは、そこで男の娘ホジョン(ハン・ヘジン)と出会う。父をベッドごと病室の外に引きずり出そうとするテイルやその部下たちを,半狂乱で阻止するホジョンは、仕方なく月利49%の覚書に捺印する。その彼女を見ながら、妙に心がざわめくテイル。実は、40歳にして初めて、ひと目で恋に落ちてしまったのである。


※『傷だらけのふたり』公式HP(画面上段タイトルにリンク)より引用 

8/2 上映作品

2011/日本 (130分)
監督:柴田昌平

- 上映スケジュール
・午前の部
開場              9:30 ~ 10:00
上映             10:00 ~ 12:15
トークショー   12:15 ~ 12:45

・午後の部
開場             13:30 ~ 14:00
上映             14:00 ~ 16:15
トークショー   16:15 ~ 16:45

 

- イントロダクション

長編ドキュメンタリー映画「ひめゆり」はひめゆり平和祈念資料館のリニューアルの総合プロデューサー・コーディネーターを勤めた柴田昌平監督が13年かけて作った、2時間10分の長編ドキュメンタリー映画です。

 

- はじめに

ひめゆり』公式HP 柴田昌平 監督コメントより

 

今なぜ 『 ひめゆり 』 なのか・・・。 


1994年、戦後50年を迎えようとしている時期、人づてに「ひめゆりの人たちが体験をきちんと記録したがっている」という話を聞きました。「なぜ?」私には意外でした。というのも、ひめゆりについての映画やテレビ番組はそれまで何度も制作されていたので、今さらなぜなのだろう、と素朴に思ったのでした。


「ひめゆり」という言葉は、私たちや上の世代の人にとっては必ずどこかで耳にしたことがある名前です。繰り返し映画やテレビ、舞台で取り上げられ、「沖縄戦における悲劇の従軍看護婦たち」というイメージが定着しています。「聖なる人々、殉国美談、反戦の語り部・・・」さまざまな概念が「ひめゆり」には付着していて、私自身には重すぎるとそれまで避けていたテーマでした。知った気にもなっていました。


しかし実際にお会いしてみると、私がわかったつもりになっていたのは余りに表面的なことにすぎないということに愕然としました。何よりも、生存者お一人お一人が実に個性的だということに驚きました。テレビの映像で観るときに感じていた “決まり文句のように悲劇の体験を伝える語り部の人々” というイメージが崩れました。


「まもなく私たちは70歳になります。いつまで生きていられるか分かりません。私たちの体験をきちんとした形で映像で記録できないでしょうか。遺言として残したいのです」

生存者の方々から言われました。


ひめゆり学徒たちの思いと体験は、マスコミなど伝える側の思いが強すぎ却ってきちんと耳を傾けてもらえなかったり、断片として切り取られ伝えられることが多かったのです。


沖縄の親戚の家に泊まりこんで、彼女たちの証言にじっくりと耳を傾ける日々が始まりました。

私はひたすら受容体となりきろう、皆さんが話したいことを話し終えるまではじっと耳をすまそうと思いました。


カメラマンの澤幡さんが優しい目線でずっとカメラを回しつづけてくれます。その後も折に触れて、体験の記録をしてきました。13年間にわたって記録した証言は、22人、約100時間分になります。


映画の完成を待たずに3人の方が他界され、2人は病気で自由に外出できなくなりました。

ひめゆり学徒の生存者の皆さんは今、80歳前後となりました。

彼女たちの眼の黒いうちにしっかりとした映画として世に出したいという思いで、この作品を皆さんに問うことにいたしました。


語られている内容は過去ですが、語っている切実さは 「今」 にそのままつながっています。

過酷な記憶を掘り起こし、自らの言葉にするまで、彼女たちには数十年の月日が必要でした。



戦争体験から受ける印象は悲惨です。


しかし、ひめゆりの生存者からはしっかりと生きている強さを感じます。


※『ひめゆり』公式HP(画面上段タイトルにリンク)より引用

それは彼女たちの根っからの明るさ、やさしさ、そして生命への信頼感があるからです。


この映画は、今を生きる私たちに多くの示唆と希望を与えるものと信じます。


※『はじまりのうた』公式HP(画面上段タイトルにリンク)より引用  

6/21 上映作品

 『少女は自転車にのって』

2012/サウジアラビア (98分)
監督:ハイファ・アル=マンスール

- 上映スケジュール
・午前の部
開場             10:30 ~ 11:00
上映             11:00 ~ 13:00

・午後の部
開場             14:00 ~ 14:30
上映             14:30 ~ 16:30

 

- イントロダクション

映画館の設置が法律で禁じられている国サウジアラビアから、奇跡の傑作が誕生した!ヴェネチア国際映画祭インターフィルム賞、ロッテルダム国際映画祭批評家連盟賞などを受賞、世界中の拍手に包まれた本作は、2014年アカデミー賞外国語映画賞サウジアラビア代表にも選出された。

 

- ストーリー

10歳のおてんば少女ワジダは男の子の友達アブダラと自転車競走がしたいのに、お母さんは男の子と遊ぶことも、自転車を買うことにもいい顔をしない。ワジダの住む世界には、女の子がしてはいけないことが沢山あるのだ。

ある日、綺麗な緑色の自転車を見て、どうしても欲しくなったワジダは、自分でお金を貯めていつか手に入れることを誓う。

 

手作りのミサンガを学校でこっそり売ったり、上級生の密会の橋渡しのアルバイトをしたり・・・それでも自転車代の800リヤルには程遠い。そんな時、学校でコーランの暗誦コンテストが行わることになった。優勝賞金は1000リヤル!大の苦手のコーランだったが、ワジダは迷わず立候補、必死にコーランを覚えて練習を重ねるのだが・・・。

 

※『少女は自転車にのって』公式HP(画面上段タイトルにリンク)より引用

 

第2回上映作品 2015/6/7 上映

  『百円の恋』※R15指定 

2014/日本 (113分)
監督:武 正晴

- 上映スケジュール
・午前の部
開場             10:30 ~ 11:00
上映             11:00 ~ 13:00

・午後の部
開場             14:00 ~ 14:30
上映             14:30 ~ 16:30
監督トークショー 16:45 ~ 17:30

- イントロダクション

故・松田優作氏の出身地である山口県周南映画祭で、優作氏の志を受け継ぐクリエイターを発掘すべく、2012 年に新設された脚本賞、第一回「松田優作賞」グランプリ作品 『百円の恋』(作:足立紳)。

国内外からの応募総数151 の脚本より、松田美由紀(女優、 写真家)、黒澤満(映画プロデューサー)、丸山昇一(脚本家)らの厳正なる選考により、女と男の挫折と再生という普遍的なテーマに挑みながらも、人間の弱さと強さを真っ向から描ききった骨太な本作を、『イン・ザ・ヒーロー』の武正晴監督が待望の映画化

優作氏の故郷・山口県でも一部撮影を行いつつ、志を受け継ぐ役者たちが繰り広げる、魂と肉体を張った名作が誕生した。

 

 

 

 

 

 

 

- ストーリー

32歳の一子(安藤サクラ)は実家にひきこもり、自堕落な日々を送っていた。

ある日離婚し、子連れで実家に帰ってきた妹の二三子と同居をはじめるが折り合いが悪くなり、しょうがなく家を出て一人暮らしを始める。夜な夜な買い食いしていた百円ショップで深夜労働にありつくが、そこは底辺の人間たちの巣窟だった。

心に問題を抱えた店員たちとの生活を送る一子は、帰り道にあるボクシングジムで、一人でストイックに練習するボクサー・狩野(新井浩文)を覗き見することが唯一の楽しみとなっていた。

ある夜、そのボクサー・狩野が百円ショップに客としてやってくる。狩野がバナナを忘れていったことをきっかけに2人の距離は縮めていく。なんとなく一緒に住み始め、体を重ねるうちに、一子の中で何かが変わり始める―――。


※『百円の恋』公式HP(画面上段タイトルにリンク)より引用

 第1回上映作品 2015/4/26 上映

※トークショー以降の予定を一部変更+詳細化させて頂きました。

2013/日本 (169分)
監督:蔦哲一朗

- 上映スケジュール
・午前の部
開場             08:30 ~ 09:00
上映             09:00 ~ 12:00

・午後の部
開場             12:30 ~ 13:00
上映             13:00 ~ 16:00
監督トークショー 16:00 ~ 16:30
監督サイン会   16:30 ~ 16:45
&パンフレット販売

- チケット
一般 1,500円

- イントロダクション
日本最後の桃源郷 『祖谷(いや)』
夏、秋、冬、春と移り行く壮大な山々を背景に
35ミリフィルムで綴る
人と、獣と、神々(自然)の夢幻的映像詩。

私たちの荒れた故郷と病んだ心は
再生することができるのか

日本映画界を揺るがすアナクロ映画集団
「ニコニコフィルム」
渾身の最新作。






- ストーリー
女子高生が山から降りてきました。

ある夏の日、川を遡るようにボンネットバスに乗って東京から青年・工藤がやってくる。自然豊かなこの田舎村で、工藤は自給自足生活を始めようとしていた。ところが、一見平和な村では、地元の土建業者と自然保護団体との対立や、鹿や猪といった害獣から畑を守ろうとする人々と獣の戦いなど、様々な問題が起こっていた……。

そんな中、工藤は人里離れた山奥でひっそりと暮らすお爺と春菜に出会う。電気もガスもなく、物もほとんどない質素なこの家の生活は、時間が止まったかのようにゆっくりしている。お爺は毎朝、山の神様が祀ってある社まで山を登ってゆき、 お神酒を奉納する。春菜は一時間かけて山を下って学校に通い、放課後はお爺の畑仕事を手伝う。効率とは無縁の2人の生活は、工藤の心をゆっくりと浄化していく。

しかし、季節が巡るにつれ、おとぎ話のようなお爺と春菜の生活にも変化が起きる。進学に悩む春菜と体調が悪化していくお爺。ずっと続くと思っていたお爺との生活がズレ始めたことに不安を抱く春菜だが、お爺は春菜の心配を余所にいつものように山に出掛けていく。田舎での生活に期待を寄せていた工藤も、 厳しい自然との共存に限界を感じ、自分は所詮文明社会の下でしか生きられないということに絶望を隠せないでいた…。

※『祖谷物語』公式HP(画面上段タイトルにリンク)より引用